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​受話器の向こうから

ピヨン君は家へ帰って来るや否や、ダイヤルを回して受話器をとった。

やがて友達のミヨンくんが出た。

「もしもし」ピヨンくんがいうと間もなく「もしもし」と答えるミヨンくんの声。

「今どこおる?」そう尋ねると、「今どこおる?」と逆に尋ねられた。

「僕は家やで」そう答えると、「僕は家やで」と返ってきた。

「あれ、さっきから僕の真似してない?」そう聞いてみると、

「あれ、さっきから僕の真似してない?」と同じように返ってきた。

「真似せんといて」「真似せんといて」

「ちょっと、ミヨンくん?」「ちょっと、ミヨンくん?」

「ピーッ、留守番電話を終了します。」

機械音が突然そう言ったので驚いた。

​さっきまで聞こえていた声は自分の声が跳ね返って聞こえていただけだった。

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