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よもやま君の絵
ピヨの家に誰かやってきました。
見ればそれは、友達のよもやま君でした。
「どうしたん、よもやま君」
「ちょっと、聞いて」
「え?なになに?」
「俺の描いた絵がコンテストに受かった」
よもやま君は趣味で絵を描いていましたが、正直に言うとヘタでした。
「えっ、ほんま?良かったやん」
「すごいやろ、まだ展示されてるから見に行こう」
「あ、うん」
僕とよもやま君はそうして美術館へと出かけた。
"第28回全国油絵コンテスト入選作品"と大きく書かれている。
ちょっと高い入場料を払って僕はよもやま君の絵を探した。
でも立派な油絵が並んでいるばかりでよもやま君の絵はどこにもない。
「どこにあるん?」
「ほら、そこにあるやん」
よもやま君が指をさしたのは迫力のある油絵
のとなりの落とし物コーナーだった。
そこにはレシートの裏に書かれたよもやま君の落書きがあった。
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